「カラミざかり」個人的考察・解釈ブログ

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カラミざかり3考察:ラストの里帆と高成は何歳だったのかを考察 (カラミざかり3 ラストシーンより)

※カラミざかりの個人的考察をしていきます。個人的な解釈を大いに含むため、苦手な方はご遠慮ください。
 

 

 
 
 
VOL.3ラストシーン、
高成と里帆は何歳だったのか
 
 
 

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「カラミざかり vol.3」より
 
カラミざかりvol.3、ラストシーン。
高成と里帆は、いったい何歳だったのかを推測します。
 
 
 
高成はスーツ姿で「会社から呼び出しだ」と発言していることから、
普通にサラリーマンだと考えられます。
そうすると、高成と里帆の年齢に関する二つの可能性が浮かびます。
 
①高成が大卒社会人(22歳〜)、里帆がフリーター
②高成が高卒社会人(18歳〜)、里帆が大学生
一般的な流れで考えると、
里帆が大学生である②の可能性が高いと思われます。
しかし、
僕は里帆がフリーターである①の可能性が高いと考えています。
それはなぜか。
 
 
vol.2において、高成が、予備校に通い詰めだったことを覚えていますか。
他の3人が肉欲に溺れている中、
高校二年生ながら、高成一人だけが予備校に通い詰めていました。
また、予備校をサボったら外出禁止にするほどの、
厳しい、真面目な家庭環境で育っています。
 
 
上記から考えるに、
その後いくら高成が里帆のことでメンタルをやられていたとしても、
高成は高校卒業後、大学受験して大学に通った可能性が高いです。
 
 
その流れで現在サラリーマンになった高成バイトをする里帆の立場を考えると、
(高成が短期大学に通った or 里帆が大学院などに進学したんじゃない限り)
同い年の里帆がフリーターという風に推測できます。
 
 
では、上記の推測を前提とした上で、
里帆はなぜ大卒後、フリーターになったのかを推測したいと思います。
 
 
 
 
 
現在に至るまでの飯田里帆の時系列
 
 
回想シーンをもとに、現在までを時系列で考えると、
「イケイケ彼氏と同棲」→「イケイケ彼氏の部下に乱暴される」→現在
になります。
 
 
時系列から考えるに、
里帆は現在も「イケイケ彼氏」と同棲中だと考えられます。

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「カラミざかり vol.3」より
もし既に別れている場合、
回想中「"同棲してた"イケイケの彼氏」と表記されるはずです。
(実際は「"同棲してる"イケイケの彼氏」と表記)
 
その後里帆は「イケイケ彼氏」の部下に乱暴されていますが、
部下に乱暴されたことは「イケイケ彼氏」にはバレず、
順調に交際中なのでしょう。
 
 
 
 
 
 
里帆はなぜフリーターになったのか
 
 

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「カラミざかり vol.3」より
彼氏と同棲中の里帆が現在フリーターである理由を考えると、
(単に就活に失敗したなどの可能性は置いておいて)
里帆は「イケイケ彼氏」と、
「結婚を前提の同棲」をしているのではないでしょうか。
 
 
社会人彼氏と大学時代に付き合い始めて、
結婚を前提の同棲をし続けた結果、
特に就職活動などはせず、現在フリーターとして落ち着いた。
 
現代は共働きが普通の社会なので、説としては少し弱いかもしれませんが、
彼氏との関係がすこぶる良好なら、ありえなくはないと思います。
 

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「カラミざかり vol.3」より

チラッと出てきた家の内装↑を見る限り、

結構広そうな家で同棲していると推測できます。

部下もいる立場ですし、里帆の彼氏はそれなりの収入だと予想でき、
結婚も十分可能性として考えられます。
 
(里帆がフリーターになった理由として、
卒業後、何らかの「夢追い人」になったという可能性もありますが、
作中、そういった伏線が全く見られなかったため、
ここでは割愛いたします。)
 
 
 
つまり、
高成も読者も見たことのない、
「恋人にしか見せない顔」の里帆を
全く知らない男が独占していた上、
 
このままあっさり結婚して、
本当に手の届かない場所に行ってしまう
可能性があるということ。
 
↑これ、寝取られ以上にきついんじゃないでしょうか…。
(寝取られは、最初はヒロインと恋人関係なだけマシだと思います)
 
 
 
そして桂あいり先生のエグいところは、
里帆の「恋人にしか見せない顔」を、
高成だけでなく読者にも見せません。

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「カラミざかり vol.3」より
  (↑里帆が彼氏といるときの表情は、読者に見えないよう背けられている)
 
里帆が恋人といるときも、セフレといるときも、
どっちも同じ表情をしているなら、読者もある意味安心できます。
「この娘にはやっぱり恋愛感情はなくて、彼氏もセフレも同じ扱いだな」
=「自分の今まで見てきた飯田里帆と変わらないな」と安心できる
 
しかし↑の画像のように、恋人とのセックスで顔が見えないと、
実は里帆には恋愛感情があり、彼氏には「読者も知らない顔」を向けている
という想像の余地が生まれます。
 
そして読者は(続編などが出ない限り)その顔を見ることはできないわけです。

 

 
 
つまり先生が苦しみを与えたのは高成だけでなく、
飯田里帆に恋をしていた読者にも、
「高成と同じ苦しみ」を与える構図になっているんですよね。
(それにしても、同棲してる彼氏がいるのに、普通に店長と浮気をする里帆は…)
 
 
 
 
まとめ
 
 
僕としては、里帆が複数男性と肉体関係を結ぶことより、
里穂が「普通に恋をして、同棲して、結婚するかもしれない」という想像こそ、
一番胸が苦しくなってネトラレを感じる瞬間なんです。
(本編中、里帆が唯一奪われていなかったのが「心」でしたから。)
 
 
久しぶりにFacebookを開いたら、
昔好きだった娘が結婚して子供もいた的なアレに近い。

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回想であえて「同棲」という言葉を出した、
桂あいり先生の言葉のチョイス、凄すぎますよね。
あの一言で、物語にさらに想像の余地と奥行きが広がり、
あの一言で、かつてないほどモンモンとさせられています。
 
(剣道の達人の一手のように、
わずかな動作で骨を砕く一太刀をかます
桂あいり先生は、言うなれば「ネトラレの達人」とも言えます。)
 
 
 
同棲ってことは、
仕事から帰ってきた彼氏に、里帆が料理作りながら
「お帰り! お仕事お疲れ様! 」
って毎日やってるかもしれない。
 
想像するだけで地獄ですよね?

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「カラミざかり vol.3」より
(↑高成に向けた励ましの言葉。彼氏に向けたときの表情は想像したくない)
 
 
こういう細かいところに
色んな「想像のタネ」を仕掛けるのが桂あいり先生だと思っているので、
皆さんもカラミざかりを読んで、
色んな想像をして、
小説のように「空白を読む」ことで、
普段とは違ったカラミざかりの楽しみ方をしてみてください。
 
 
では今回はここまで。
 
 
 

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