「カラミざかり3」考察:飯田里帆の快楽堕ちENDを回避する方法はあったのか ~すべての元凶はあの男の行動~ (ネタばれあり)
※カラミざかりの個人的考察をしていきます。個人的な解釈を大いに含むため、苦手な方はご遠慮ください。
カラミざかりをvol.1からvol.3まで読んだ読者は、
こういった考えが頭に浮かぶのではないでしょうか。
「あのエンディングは避けられなかったのか」
「里帆と高成が付き合う未来はなかったのか」
そこで今回は、
「カラミざかり」シリーズのあの「快楽堕ち」ENDは、
どうにかして避けられなかったのかを考察します。
①「カラミざかり」シリーズにおける
ストーリー展開の必然性
「カラミざかり」のレビューを見ると、
vol.2あたりから、
「急な展開だった」「夏祭りの下りが唐突」「大学生は何なの?」
などの、展開にまつわるネガティブなレビューがチラホラ目につきます。
ですが、vol.3まで読むと、
上記の展開はすべて
計算によって緻密に作られたものであったことがよく分かります。
vol.3ラストシーン、
里帆が喫茶店店長に抱かれる場面から遡り、
エピソードを逆算して考えていくと分かりやすいと思います。
「なぜ里帆は店長に抱かれた?」
=里帆が快楽堕ちしてしまったから。
「なぜ里帆は快楽堕ちした?」
=里帆が藤野に開発されまくったから。
「なぜ里帆は藤野に開発された?」
=高成や貴史と会わなくなって、その空いた時間に藤野と出会ったから。
「なぜ里帆は高成や貴史と会わなくなった?」
=夏祭りで木戸先輩たちにレ〇プされた事件で気まずくなったから。
上記のように逆算すると、「カラミざかり」の展開はすべて、
因果関係によって最後まで緻密に影響しあっていたことが分かります。
つまり、レビューで「唐突」と書かれた夏祭りの下りも、
夏祭りの事件があったからこそ藤野との出会いがあり、
藤野との出会いがあったからこそvol.3のエンディングがある、
と考えると、
すごく重要なエピソードですよね。
そういった緻密なストーリー構成に横やりを入れて、
里帆の快楽堕ちを阻止する可能性を考えるのは、
妄想でも非常に難しい行為です。
②飯田里帆の快楽堕ちENDを
回避する方法はあったのか
先述した逆算の図から分析すると、
里帆の快楽堕ちを阻止する唯一の手は、
「里帆と藤野を出会わせない」になります。
藤野のように、里帆の性的な可能性を切り開く男と里穂が出会わなければ、
里帆は快楽堕ちをせず、最終的なエンディングは別の展開になったと思われます。
では、どうすれば里帆と藤野の出会いを阻止できるか。
逆算から考えて、里帆が藤野と出会うことになった最大の原因は、
夏祭りのレ〇プ事件にあります。
夏祭りのレ〇プ事件で4人が疎遠になったからこそ、
空いた時間に里帆と智乃は、別の男たちと会ってしまうわけです。
では夏祭りのレ〇プ事件はなぜ起きてしまったのか。
僕は、その全責任はこの男の、この一言にあると思いました。
貴史「いや…えと、彼女とかじゃなくて…」
「そこは『彼女です』とか言っとけぇェえーーーー!!」
って叫びたくなりますよね。
貴史がもし木戸先輩に対して
「彼女です」
と答えていれば、きっと木戸先輩は(さすがに)見逃したでしょうし、
木戸先輩に見逃されていれば、4人はこの後もずっとカラみ続けていたでしょう。
4人がずっと一緒にいれば、里帆は藤野と出会わないでしょうし、
高成も、里帆の相手が貴史だけであれば、
なんとか里帆と付き合うための打開策を考えることもできたはずです。
心理学には「単純接触効果」というものがありますので、
長い間ずっと一緒にいれば、その後里帆が高成に好意を持った可能性もあります
単純接触効果
繰り返し接すると好意度や印象が高まるという効果。
つまり、全ての元凶は貴史…。
高成が一度だけ過去に戻れるなら、
「彼女とかじゃなくて…」と言いかけた貴史の口を(手段選ばず)封じるべきですね。
(その後、智乃と里帆が高成や貴史と疎遠になったのは、
貴史が自己保身のため?に
「彼女とかじゃなくて…」と女子を売る姿にドン引いたからでしょうか。
高成はあのとき身を呈して木戸先輩に殴り掛かったから、
vol.3で智乃と普通に話せたってことかもしれませんね)
ちなみに、
貴史は夏祭りで野球部の先輩に遭遇した結果、部活をサボっていたことがバレ、
翌日から部活復帰予定という状況でした。
逆に、高成はこの日予備校が終わったため、夏休み中ヒマになっているはずです。
そう考えると、夏祭りのレ〇プ事件が起こらない世界線では、
その後の4人のセフレ関係は、しばらく高成、里帆、智乃の
3人でカラむことになった可能性が高いです。
智乃は高成が里帆のことを好きなのを察していますし、
3人で毎日会うようになれば、
智乃は何かしら高成の恋愛的な後押しをしてくれたかもしれません。
=高成と里帆が普通に付き合う世界線があったかもしれないということです。
そう考えると、本当にこのレ〇プ事件が憎いですよね…。
まとめ
「そもそもvol.1で、
4人がセフレ関係にならなければ、里帆は快楽堕ちしなかったんじゃないの?」
「ってことは全ての元凶は、貴史の家に押し掛けた智乃じゃん」
という意見もあると思います。
しかし、桂あいり先生はそれを見越してか、
「4人がセフレ関係にならなければ里帆は寝取られなかった」
という可能性の光を事前に消しています。
「私は…智乃ちゃんと海行こうって言ってるけど…」
vol.1の序盤↑ですでに、
「4人がセフレにならなくても、里帆と智乃は別の男とセフレになった可能性」
が示唆されています。
里帆と智乃がどういう目的で海に行く予定だったかは不明ですが、
女子高生が二人で海に行ったら、間違いなくナンパラッシュでしょう。
クラスメイトの男子にさえ身体を許す二人ですから、二人で海なんかいったら、
イケメンにナンパ → 快楽堕ちの未来が容易に見えます。
(海に行く下りはvol.2でもわざわざ言及されており、
何気ない日常会話の一部ではなく、
しっかりと計算によって狙って作られたセリフだということが推測できます)
つまり、里帆の快楽堕ちENDを回避するためには、
第一に「里帆と智乃が二人で海に行く話」を中止させなければならず、
そのためには
どうあがいても高成、貴史、里帆、智乃の4人がセフレになる必要があります。
そして、
4人がセフレになった上で、夏祭りのレ〇プ事件を阻止する。
これが結末を変える唯一の方法だということが分かります。
では今回はここまで。
「カラミざかり番外編 2〜竹内先輩と部室〜」カラー版 前編を読む
「カラミざかり番外編〜貴史と飯田〜 カラー版」を読む(桂あいり先生のあとがき付き)
カラミざかり vol3 カラー版 後編を読む(桂あいり先生のあとがき付き)