「カラミざかり」個人的考察・解釈ブログ

大好きな「カラミざかり」をひたすら語りたくて始めたブログです。個人的考察、解釈を大いに含むため、苦手な方はご遠慮ください。

カラミざかり考察:飯田里帆には、感情は存在していたのか (ネタばれあり)

※カラミざかりの個人的考察をしていきます。個人的な解釈を大いに含むため、苦手な方はご遠慮ください。
 

 

 
 
 
飯田里帆には感情は存在していたのか
 

f:id:merolog:20201119135516p:plain

「カラミざかり vol.2」より
 
「カラミざかり」の読者の皆さんは、飯田里帆に対して
「この娘、感情ないんじゃね?」
って感じているかもしれません。
人形のように男たちに好き放題される姿を見せられると、
そう思ってしまう人もいるでしょう。
 
しかし、目に見えるものだけが真実とは限りません。
カラミざかりはあくまで、
「高成の目」「神(読者)の目」の二種類のカメラで、
里帆をひたすら追いかけている構図ですので、
当然カメラ越しには、里帆の心情や本音は聞こえてきません
 
そこで、その「カメラ越し」にも分かる範囲で、
飯田里帆には感情があるのか
を検証していきたいと思います。
 
 
 
 
 
①飯田里帆と恋愛感情

 

「カラミざかり」作中において、

里帆が恋愛にまつわる感情を表に出したと思われるシーンを検証していきます。

 

 

一つ目は、「カラミざかり vol.2」における、大学生たちとの肝試しシーン。

f:id:merolog:20201119123503p:plain

「カラミざかり vol.2」より

↑藤野に手を握られるシーンで、里帆は智乃と同じく赤面しています。

藤野に一目惚れをしている智乃と同じ表情なので、

「ボディタッチをされて照れているだけ」とは言い切れないと思います。

(貴史が同じように手を握っても、里帆はこんな表情しないでしょう…。)

 

つまり里帆は、少なくとも新山など一般的な感性の女性と同じく、

「イケメンをイケメンだと認識していて、ちゃんとイケメンにときめく」

ということが分かります。

 

この時点で、

「飯田里帆は性欲だけで無感情」

という意見は成立しないんじゃないでしょうか。

 

 

 

二つ目は、vol3終盤、高成が里帆に告白?にいくシーン

f:id:merolog:20201119124428p:plain

「カラミざかり vol.3」より

高成はまだ何も告白していませんが、この時点で里帆は赤面しています。

 

ここからは色んな里帆の感情が想像できます。

 

①夏祭り以来、久しぶりに高成と会ったから恥ずかしい

②高成と昔「カラんだ」ことを思い出している

 

など想像できますが、

高成と里帆は毎日学校で会ってることを踏まえると、

流れ的に

③恋の告白をされる可能性に緊張している

が最も有力ではないでしょうか。

もし③だとすれば、

「二人っきりで呼び出される=恋の告白」って認識しているわけで、 

それなりに恋愛に対して関心があるってことですよね。

 

(ちなみにこのシーン、

「高成にワンチャンあったのか?」と気になる方も多いと思いますが、

僕は「なかった」と断言できると思います。

里帆はこのとき藤野との関係に夢中ですし、

そもそも藤野に開発される前ならともかく、開発された以上、

いざ付き合えても、回想シーンに出てきた「優しさが取り柄の彼氏」のように、

高成のテクニックに里帆が性的に満足できず、浮気されてしまうのがオチでしょう…)

 

 

 

 

余談ですが、里帆は高成の告白を受ける前に、洋服を着替えています。

f:id:merolog:20201119131922p:plain

「カラミざかり vol.3」より

下はズボンからロングスカートに、

上は部屋着っぽいTシャツから普通のTシャツになっています。

「さすがに部屋着では外には出れない」ってことなんでしょうが、

里帆が自分の容姿に関して、

(一般的な女子と同じで)無頓着ってわけじゃないのが、

こういった部分からも読み取れます。

 

f:id:merolog:20201119130459p:plain

「カラミざかり vol.2」より

↑ちなみにvol.2にも似た服装は出てきていましたが、

告白シーンよりスカートが短いです

里帆って地味系女子の印象で、ファッションとかにも無頓着に見えて、

ここでもスポーツサンダルを履いたり、普通におしゃれですよね。

 

里帆は一見カースト低そうな地味女子に見えるため、

高成や読者を「オレでもいけるんじゃ…」と前のめりにさせてしまうところが

罪深い部分です(実際は智乃と仲良いだけあって普通に女子女子してる)

 

f:id:merolog:20201119131147p:plain

「カラミざかり vol.2」より

(↑里帆は貴史の家に通うときも、お洒落なミュールサンダルを履いてきていた)

 

 

 

 

 

②飯田里帆、恋愛感情に鈍感説

 

 

これまで推測してきた中で、

・里帆は一般的な女子と同じく恋愛への関心、知識を持っている

・里帆は一般的な女子と同じく、おしゃれに興味を持っている

 ということが見えてきましたが、

「里帆は恋愛ごとに対して実は超鈍感なんじゃ…」というシーンがあります。

 

f:id:merolog:20201119114442p:plain

「カラミざかり vol.3」より
智乃が、藤野への好意を仄めかすシーン。
里帆は、智乃のこんなあからさまな「恋する態度」に気が付きません。
(気が付いた上で、性欲を優先して無視したんなら相当腹黒ですが…)
 気が付かない結果、里帆はこの後、二人きりで藤野と会い続けます
 
智乃はvol.2で「高成は里帆に惚れている」ことにすぐに気付いたことを踏まえると、
やっぱり里帆は、恋愛感情に非常に鈍感なんじゃないかと想像できます。
(ちなみに心理学によると、第三者の方が当人達より2倍脈アリに敏感だそうです。)
 
高成の気持ちに気が付かなかったのも、この鈍感さ故なのでしょうか。
 
 
加えて、
里帆は恋愛感情だけでなく、
「人間の感情自体に鈍感」という傾向も見られます。

f:id:merolog:20201119151157p:plain

「カラミざかり vol.3」より

上記画像は、

「藤野と密会していることに嫉妬した智乃が里帆をシカトしたシーン」ですが、

普通、里帆は智乃を出し抜いて藤野と密会している罪悪感から、
「あのことで智乃ちゃんに嫌われたんだ…」と察するべきシーンですよね。
 
しかし、どうやら里帆は「なぜ智乃にシカトされたのか」察していませんでした。
 
その後、野村アンナの言葉によって、智乃は里帆との仲直りを決意しますが、
あろうことか、仲直りのチャンスである下校中に、
里帆は藤野から誘いを受けて、藤野の元へ行ってしまいます。
 

f:id:merolog:20201119153733p:plain

「カラミざかり vol.3」より
 
この行動に関しては、正直「うーん…」って思いますよね。
可能性としては、
①友達との仲直りよりも、性欲を優先させてしまった
②藤野との密会が智乃にバレてないと思ってる(=なぜシカトされたか分かってない)
だと思いますが、①だと腹黒になるので、個人的には②だと思いたいです。
②だとすると、里帆は恋愛というより、人間の感情自体に鈍感な感じがします。
 
つまり、相当な天然ちゃんってことでしょうか…笑
 
 
 
 
 
③まとめ
 
「里帆に感情は存在していたのか」を検証しましたが、
普通におしゃれするし、イケメンにときめくし、
恋愛にもある程度の興味関心があると思われるため、
一般的な女子と同じく「感情がある」と言えるでしょう。
 
ただ、vol.3の新山の一件から察するに、相手の感情に対して非常に鈍感なので、
「向こうから積極的にアピールしてくる場合」でないと、
恋愛に発展しにくい体質なのでしょう。
 

実際、vol.3最後の回想シーンで、

 

「優しさが取り柄の彼氏」

f:id:merolog:20201119140749p:plain

「カラミざかり vol.3」より

「イケイケの彼氏」

f:id:merolog:20201119120123p:plain

「カラミざかり vol.3」より

少なくともこの二人の彼氏ができています。

この二人の彼氏は高成と違って、積極的に里帆にアプローチしたのでしょう。

まさに貴史の言葉↓が胸に突き刺さります。

f:id:merolog:20201119153249p:plain

「カラミざかり vol.3」より

(しかし「イケイケ彼氏」はともかく、

里帆がなぜ「優しさが取り柄の彼氏」に惚れたのか気になる…)

 

 

 

これまで「カラミざかり」を読んできた読者からすると、

里帆にとっての彼氏=セフレと同じだと思う人も多いと思いますが、


里帆は性欲が強すぎるだけで、感性、感情は普通の女子と思われるので、

「普通に恋愛して付き合った」という確率が高いです。

 

f:id:merolog:20201119135009p:plain

「カラミざかり vol.3」より

(↑里帆のラインのプロフ画像。普通の女子っぽい趣味が垣間見える)

 
 
 
読者からすると、
性欲だけに見えていた里帆が、
実は恋愛感情がちゃんとあった可能性。
 
これって何よりショックですよね。
 
だって、カラミざかりの作中では、
里帆の相手は全員セフレ
「心まではまだ誰にも奪われてない」って割り切れば、
なんとかネトラレシーンも耐えられたかもしれません。
 
 
 
里帆は彼氏と、
どんな表情で、
どんな会話をして、
どんな生活を送っているんだろう。
親も公認の仲なんだろうか。
こんな想像(妄想)が頭に渦巻いて、〇にたくなります
 
 
 
「この夜、この暗い夜に恋しい男と二人! 何をしているか解らぬ」
(田山花袋「蒲団」より)
読者はこういった心境に、未来永劫苦しめられることでしょう。
 
 
 
 
では今回はここまで。
 
 

「カラミざかり番外編 2〜竹内先輩と部室〜」カラー版 前編を読む

「カラミざかり番外編〜貴史と飯田〜 カラー版」を読む(桂あいり先生のあとがき付き)

カラミざかり vol3 カラー版 前編を読む

f:id:merolog:20201225011014j:plain

カラミざかり vol3 カラー版 後編を読む(桂あいり先生のあとがき付き)