「カラミざかり3」考察:飯田里帆の快楽堕ちENDを回避する方法はあったのか ~すべての元凶はあの男の行動~ (ネタばれあり)
※カラミざかりの個人的考察をしていきます。個人的な解釈を大いに含むため、苦手な方はご遠慮ください。
カラミざかりをvol.1からvol.3まで読んだ読者は、
こういった考えが頭に浮かぶのではないでしょうか。
「あのエンディングは避けられなかったのか」
「里帆と高成が付き合う未来はなかったのか」
そこで今回は、
「カラミざかり」シリーズのあの「快楽堕ち」ENDは、
どうにかして避けられなかったのかを考察します。
①「カラミざかり」シリーズにおける
ストーリー展開の必然性
「カラミざかり」のレビューを見ると、
vol.2あたりから、
「急な展開だった」「夏祭りの下りが唐突」「大学生は何なの?」
などの、展開にまつわるネガティブなレビューがチラホラ目につきます。
ですが、vol.3まで読むと、
上記の展開はすべて
計算によって緻密に作られたものであったことがよく分かります。
vol.3ラストシーン、
里帆が喫茶店店長に抱かれる場面から遡り、
エピソードを逆算して考えていくと分かりやすいと思います。
「なぜ里帆は店長に抱かれた?」
=里帆が快楽堕ちしてしまったから。
「なぜ里帆は快楽堕ちした?」
=里帆が藤野に開発されまくったから。
「なぜ里帆は藤野に開発された?」
=高成や貴史と会わなくなって、その空いた時間に藤野と出会ったから。
「なぜ里帆は高成や貴史と会わなくなった?」
=夏祭りで木戸先輩たちにレ〇プされた事件で気まずくなったから。
上記のように逆算すると、「カラミざかり」の展開はすべて、
因果関係によって最後まで緻密に影響しあっていたことが分かります。
つまり、レビューで「唐突」と書かれた夏祭りの下りも、
夏祭りの事件があったからこそ藤野との出会いがあり、
藤野との出会いがあったからこそvol.3のエンディングがある、
と考えると、
すごく重要なエピソードですよね。
そういった緻密なストーリー構成に横やりを入れて、
里帆の快楽堕ちを阻止する可能性を考えるのは、
妄想でも非常に難しい行為です。
②飯田里帆の快楽堕ちENDを
回避する方法はあったのか
先述した逆算の図から分析すると、
里帆の快楽堕ちを阻止する唯一の手は、
「里帆と藤野を出会わせない」になります。
藤野のように、里帆の性的な可能性を切り開く男と里穂が出会わなければ、
里帆は快楽堕ちをせず、最終的なエンディングは別の展開になったと思われます。
では、どうすれば里帆と藤野の出会いを阻止できるか。
逆算から考えて、里帆が藤野と出会うことになった最大の原因は、
夏祭りのレ〇プ事件にあります。
夏祭りのレ〇プ事件で4人が疎遠になったからこそ、
空いた時間に里帆と智乃は、別の男たちと会ってしまうわけです。
では夏祭りのレ〇プ事件はなぜ起きてしまったのか。
僕は、その全責任はこの男の、この一言にあると思いました。
貴史「いや…えと、彼女とかじゃなくて…」
「そこは『彼女です』とか言っとけぇェえーーーー!!」
って叫びたくなりますよね。
貴史がもし木戸先輩に対して
「彼女です」
と答えていれば、きっと木戸先輩は(さすがに)見逃したでしょうし、
木戸先輩に見逃されていれば、4人はこの後もずっとカラみ続けていたでしょう。
4人がずっと一緒にいれば、里帆は藤野と出会わないでしょうし、
高成も、里帆の相手が貴史だけであれば、
なんとか里帆と付き合うための打開策を考えることもできたはずです。
心理学には「単純接触効果」というものがありますので、
長い間ずっと一緒にいれば、その後里帆が高成に好意を持った可能性もあります
単純接触効果
繰り返し接すると好意度や印象が高まるという効果。
つまり、全ての元凶は貴史…。
高成が一度だけ過去に戻れるなら、
「彼女とかじゃなくて…」と言いかけた貴史の口を(手段選ばず)封じるべきですね。
(その後、智乃と里帆が高成や貴史と疎遠になったのは、
貴史が自己保身のため?に
「彼女とかじゃなくて…」と女子を売る姿にドン引いたからでしょうか。
高成はあのとき身を呈して木戸先輩に殴り掛かったから、
vol.3で智乃と普通に話せたってことかもしれませんね)
ちなみに、
貴史は夏祭りで野球部の先輩に遭遇した結果、部活をサボっていたことがバレ、
翌日から部活復帰予定という状況でした。
逆に、高成はこの日予備校が終わったため、夏休み中ヒマになっているはずです。
そう考えると、夏祭りのレ〇プ事件が起こらない世界線では、
その後の4人のセフレ関係は、しばらく高成、里帆、智乃の
3人でカラむことになった可能性が高いです。
智乃は高成が里帆のことを好きなのを察していますし、
3人で毎日会うようになれば、
智乃は何かしら高成の恋愛的な後押しをしてくれたかもしれません。
=高成と里帆が普通に付き合う世界線があったかもしれないということです。
そう考えると、本当にこのレ〇プ事件が憎いですよね…。
まとめ
「そもそもvol.1で、
4人がセフレ関係にならなければ、里帆は快楽堕ちしなかったんじゃないの?」
「ってことは全ての元凶は、貴史の家に押し掛けた智乃じゃん」
という意見もあると思います。
しかし、桂あいり先生はそれを見越してか、
「4人がセフレ関係にならなければ里帆は寝取られなかった」
という可能性の光を事前に消しています。
「私は…智乃ちゃんと海行こうって言ってるけど…」
vol.1の序盤↑ですでに、
「4人がセフレにならなくても、里帆と智乃は別の男とセフレになった可能性」
が示唆されています。
里帆と智乃がどういう目的で海に行く予定だったかは不明ですが、
女子高生が二人で海に行ったら、間違いなくナンパラッシュでしょう。
クラスメイトの男子にさえ身体を許す二人ですから、二人で海なんかいったら、
イケメンにナンパ → 快楽堕ちの未来が容易に見えます。
(海に行く下りはvol.2でもわざわざ言及されており、
何気ない日常会話の一部ではなく、
しっかりと計算によって狙って作られたセリフだということが推測できます)
つまり、里帆の快楽堕ちENDを回避するためには、
第一に「里帆と智乃が二人で海に行く話」を中止させなければならず、
そのためには
どうあがいても高成、貴史、里帆、智乃の4人がセフレになる必要があります。
そして、
4人がセフレになった上で、夏祭りのレ〇プ事件を阻止する。
これが結末を変える唯一の方法だということが分かります。
では今回はここまで。
「カラミざかり番外編 2〜竹内先輩と部室〜」カラー版 前編を読む
「カラミざかり番外編〜貴史と飯田〜 カラー版」を読む(桂あいり先生のあとがき付き)
カラミざかり vol3 カラー版 後編を読む(桂あいり先生のあとがき付き)
カラミざかり3考察:里帆は最後店長に中出しされたのかを検証 ~桂あいりの恐怖の「叙述トリック」~(カラミざかり3 ラストシーンより)
※カラミざかりの個人的考察をしていきます。個人的な解釈を大いに含むため、苦手な方はご遠慮ください。
~カラミざかりvol.3 ラストシーンで、
里帆は店長に中出しされたのか~
カラミざかりvol.3、最後は店長の盛大な射精シーンで終わります。
このシーン、
「えっ!?とうとう里帆、中出しされたの…?」と
動揺を隠しきれなかった読者も多いと思います。
(ラストの店長の射精シーン、拡大して結合部を確認しても、
コンドームを付けているかは分かりませんでした)
そこで、
今回はラストシーンで店長は里帆に対して避妊をしていたのかどうか
を考察していきたいと思います。
ラストシーン、
里帆はバイト先の喫茶店「ラッキー」の奥の休憩部屋で、店長とカラみ始めます。
部屋の内装はあまり描かれておらず、どういう部屋なのかは分かりません。
しかし一コマだけ、比較的はっきり部屋の内装が描かれており、
そこに「店長はちゃんと避妊していた」という可能性を示唆する描写がありました。
上記画像は、店長と里帆がカラみ始める直前に、一瞬部屋を写したシーンです。
里帆と店長がこの後使う布団の横に、小さな箱が確認できます。
これって、(サイズ、薄さ、縦横比から見て)
どう見てもコンドームの箱ですよね。
コンドームをしっかり用意しておくということは、
ちゃんと避妊する意思があったということですし、
そんな几帳面で用意周到な一面が垣間見える店長が、
どこぞの貴史みたいに「やべっ、ゴムなくなった」なんてこともないでしょう。
きっと店長は、里帆を抱ける今日という日に向けて、
(事前に布団の横にコンドームまでバッチリ配置しておくほど)
無茶苦茶期待に胸を膨らませていたんでしょうね笑。
(店長のその用意周到のネットリした感じ、絶妙な中年臭さを醸し出してます)
つまり、この部屋にある小さい箱がコンドームだった場合、
ラストシーン、
里帆に店長が射精するシーンは、ちゃんと避妊されていた
ということが推測されます。
では、なぜ多くの読者は初見で、
ゴムありの可能性も十分に考えられたはずなのに、
「これって中出しされてる!?」と感じたのでしょうか。
(Twitterとかでも「最後中出しさせるのは許せない…」みたいな書き込みを多く見ます)
それは、vol.1からvol.3にかけてじっくり周到に用意されてきた、
桂あいり先生による心理的思い込み作戦による結果だと思われます。
①避妊にまつわる心理的揺さぶり
vol.1からvol.3まで読んで、多くの方がお気づきでしょうが、
シリーズを跨ぐごとに、だんだんと里帆は避妊されなくなっていっています。
vol.1では当たり前のように避妊されていたのに、
vol.2では貴史、木戸先輩(未遂)、藤野が避妊しない描写がありました。
vol.3になると、最後の回想シーンも含めて、ほぼ全員が里帆に対して避妊せず、
作中、避妊が確認できたのは
なんと、回想シーンに登場する「優しさが取り柄の彼氏」のみ。
(↑「優しさが取り柄の彼氏」のシーンで、開封済みのコンドームがある)
おそらく桂あいり先生は上記の
「少しずつ避妊をしなくなる流れ」を計算して描写していると思われます。
つまり、少しずつ読者の心に「里帆が妊娠するんじゃ…」という恐怖を与えて、
ページをめくるごとに焦燥感を増幅させ心を揺さぶる演出になっています。
「なんで誰も避妊しない? 大丈夫かな…。間違って中に出したら…」
と読者が焦っているところで、ラストシーンの店長の
「ふぐ…っ」ビュッ ビュルルッ ビュプルルッ
のシーンが画面いっぱいに表示される。
「え、これ今までと同じで生だよな…!? え、ってことは、中出し…?」
と、頭が真っ白になってホワイトアウトしかけたのは僕だけではないはずです。
「vol.3で誰も避妊してなかったんだから店長もしてないに違いない」
と思い込まされているからこそ起こる現象です。
しかし、よーく見ると、先述したように、
部屋の隅にコンドームの箱があるため、避妊している可能性が高いわけです。
これって一種の叙述トリックですよね。
登場人物の話し方や名前で性別や年齢を誤認させる、作中作(劇中劇)を交える、無断で章ごと(時には段落ごと)の時系列を変えることで誤認させるなどがある。
叙述トリックは本来、文章で使われるからこそ成り立つトリックですが、
漫画にさらっと叙述トリックを持ち込んで、
実際に起きたこと以上の動揺、ショックを与え読者を翻弄する。
やっぱり桂あいり先生はすごい。
②中出しにまつわる心理的効果
読者がなぜ、店長は中出ししたと思い込んだかを上記で解説しましたが、
これって、最初から中出しが当たり前の漫画の場合、成立しない恐怖なんですよね。
vol.1からvol.2にかけて、里帆に「ぜったい外に…」というセリフを言わせたり、
しっかりと避妊の描写を描き、避妊の重要性をアピールすることで、
読者に「中に出せば妊娠する」という事実を確実に植え付けておく。
その上で、vol.3では里帆に対して誰も避妊をしない。
だからこそ読者は焦るんですよね。
一般的なエロ漫画のように、
徹頭徹尾、避妊なんて概念存在しないみたいに中に出しまくってたら、
読者はその世界観に慣れて、ヒロインが中に出されてもショックが薄いと思います。
カラミざかりにみられるように、
「この世界では避妊は当たり前」という情報を事前に与えておき、
中出しの際のショックを倍増させる心理テクニックを、
心理学では「コントラストの原理」と呼びます。
別の記事でも解説しましたが、
よく考えると、世の中のネトラレやBSS系の漫画って、絶対といっていいほど、
ラストにはヒロインが中出しされて、読者を絶望させる展開が多いですけど、
カラミざかりはそこをオシャレに叙述トリックでやってのけるところが
やっぱ特別ですよね。
(多分桂あいり先生は、飯田里帆というキャラクターをすごい大切に思ってて、
中出しとかそんな無責任なことはさせたくないって思ってるんじゃないですかね。
里帆は変な男には引っ掛かってるけど、DVとか傷が残るプレイとかはされてないし)
③まとめ
ラストシーンで店長が実際にコンドームを付けていたかどうかは、
桂あいり先生のみぞ知るということになりますが、
最後、店長に中出しされる里穂を見て
「もうこのまま〇んだ方がましなんじゃないかな…」
くらい落ち込んだ僕としては、
「里帆はちゃんと避妊されていた」という可能性が生まれただけでも救いです。
読者の脳を完全に破壊し尽くすことなく、
少しだけ救いのクモの糸を垂らしてくれる、先生のやさしさに感謝です。
もちろん、
「あの四角い箱はコンドームではない」
「店長はコンドームを用意していたが、勢いで避妊しなかった」
などの可能性もありますので、
この記事で書いたことは「答え」ではありません。
一つの可能性として受け取っていただければ幸いです。
(ちなみに、
カラミざかりシリーズにおいて、確定的な中出しシーンは一つもありませんでした。
そして、桂あいり先生の別の作品では、普通に中出し描写があります。
つまりカラミざかりシリーズでは、
何かしらの目的で、「あえて」描写しなかったのだと推測されます)
では今回はここまで。
「カラミざかり番外編 2〜竹内先輩と部室〜」カラー版 前編を読む
「カラミざかり番外編〜貴史と飯田〜 カラー版」を読む(桂あいり先生のあとがき付き)
カラミざかり vol3 カラー版 後編を読む(桂あいり先生のあとがき付き)
カラミざかり3考察:高成はいつからネトラレ属性に目覚めていたのか(カラミざかり3 ラストシーンより)
※カラミざかりの個人的考察をしていきます。個人的な解釈を大いに含むため、苦手な方はご遠慮ください。
高成はいつから
ネトラレ属性に目覚めていたのか
衝撃の、高成がネトラレ属性に目覚めるエンディング。
カラミざかりvol.3の多くの読者は、
「高成はいつからネトラレ属性に目覚めてたん?」
と感じたと思います。
vol.3を見直してみると、高成がネトラレ属性なのを匂わせる描写は、
新山に連れられて里帆と藤野のセフレ関係を知らされた以前からありました。
つまり高成は、里帆が藤野とセフレ関係なのを知って
脳が破壊されたわけではないということです。
vol.3で確認できる高成のネトラレ属性的描写として、
様々な男達に犯される里帆を想像しながら、オナニーするシーンが挙げられます。
本来心底憎むべき事件である「夏祭りのレ〇プ事件」も、
このときの高成の脳内ではただのオカズになっています。
あのレ〇プ事件によって、里帆や智乃は心に消えない傷を負ったんじゃないかとか、
そういう発想がなくなるほど、高成が性的に興奮をしている様子が伝わってきます。
次に確認できるのは、
里帆が同じ保険委員の大石と共に先生に呼び出されるシーン。
この後高成は、里帆が大石に犯される妄想をしています。
(大石に関しては、そもそもこれまで里帆に何もしてない無実の男なので、
そんな大石を竿役にするほど、高成の妄想は病的になりつつあります)
上記二つのシーンのとき、高成は大学生の藤野の存在を知らず、
高成の頭の中ではvol.2までの、「貴史にネトラレた里帆」の構図しかありません。
では、過去のシリーズに高成のネトラレ属性を匂わせる描写がなかったか、
vol.1まで遡ってみます。
①VOL.1におけるネトラレ属性の伏線
カラミざかりvol.1において確認できる伏線として、
終盤、貴史の家でのシーンが挙げられます。
vol.1終盤のシーンにて、
高成は智乃とカラんでいるにも拘わらず、
貴史に犯される里帆をじっと見つめています。
見てください。この恍惚の表情。
このシーンを当時読んだ読者は、
「きっと高成はネトラレたショックで目が離せなくなってるんだ」
と思ったでしょうが、
実はこれはvol.3で完全に覚醒する、
高成のネトラレ属性の始まりだったことが分かります。
ちなみにこのシーンの前、高成はカラみ中の智乃に
「てか山岸。さっきよりギンギンなんだけど」
と言われています。
貴史に抱かれる里帆を見て、「さっきより」ギンギンになってるわけです。
つまり、完全にラストへの伏線ですよね(vol.1から伏線バリバリって凄い)。
今思えば、vol.1の序盤で、
里帆に似たAV女優のAVを見ながら高成がオ〇ニーするシーンがありますが、
オ〇ニー中の高成の頭の中で「AV女優=里帆」となってるなら、
「知らない男(AV男優)に犯される里帆」
を見て高成は興奮してるってことですよね。
こういったシーンからも、高成のネトラレ属性の伏線が垣間見れます。
②VOL.2におけるネトラレ属性の伏線
vol.2においても、いくつかネトラレ属性の伏線が確認できます。
序盤、ゴム無しで貴史に犯される里帆を、高成はじっと見つめており、
新山に「また固くなってる」と言われます。
つまり、貴史に犯される里帆を見ながら、興奮しているわけです。
これも高成の性癖を示す伏線と言えるでしょう。
次に、中盤のシーン。
里帆が貴史と二人きりでしばらく会っていたことを知り、
里帆が貴史に開発されたことを知った高成は、
ギンギンになった上、
狂ったように里帆を犯し続けます。
このシーンも、当時は
「ショックのあまり自棄になってるんだな…」としか思いませんでしたが、
vol.3を読んだ後だと、ネトラレ属性から
「ただ単に興奮していた」と解釈できます。
③まとめ
高成はvol.3で突然、ネトラレ属性に覚醒したように見えますが、
実はvol.1から幾つもその伏線があり、
最初からネトラレ性癖の傾向があった
ということが分かりました。
僕はvol.3を最後まで読んで、
里帆とああいう繋がりしか持てない高成をかわいそうだと思いましたが、
元々ネトラレ属性で、脳が壊れたわけでもないのなら、
「好きな娘が犯されると興奮する」高成と、
「誰にでも体を許してしまう」里帆とで、
(皮肉にも)なかなか相性の良いコンビかもしれませんね笑
その後の里穂を見ると、どうも里帆は浮気癖があるようですし
(回想で二回彼氏を作って二回とも多分浮気をしている)、
今後誰かと結婚しても、性への関心が強く、断れない性格のため、
きっと浮気癖は治らないと推測できます。
なので、里帆は高成と「浮気すること前提の結婚」として、
結婚するのもアリなのかな…とふと思いました。
(ていうか、あの体質の里帆と結婚できる男って、もはや高成しかいない気が…)
今回は「高成はいつからネトラレ属性を覚醒させたのか」を考察しましたが、
結論としては、
「高成は最初からネトラレ属性のケがあった」
という答えに行きつきました。
桂あいり先生の周到な伏線の貼り方には、ただただ脱帽です。
では今回はここまで。
「カラミざかり番外編 2〜竹内先輩と部室〜」カラー版 前編を読む
「カラミざかり番外編〜貴史と飯田〜 カラー版」を読む(桂あいり先生のあとがき付き)
カラミざかり vol3 カラー版 後編を読む(桂あいり先生のあとがき付き)
カラミざかり考察:なぜ読者は飯田里帆に恋をするのか ~心理学からみたカラミざかり~(ネタばれあり)
※カラミざかりの個人的考察をしていきます。個人的な解釈を大いに含むため、苦手な方はご遠慮ください。
なぜ読者は飯田里帆に恋をするのか
心理学において、人間同士が仲良くなったり好意を感じるためには、
「自己開示」が必要だとされています。
「自己開示」とは、
「自分はこう思う」「自分はこういう趣味を持っている」などを指します。
しかし、「カラミざかり」シリーズにおいて、
飯田里帆は一度も「自己開示」をしません。
里帆は何を考えていて、どんな趣味をもっていて、どんな夢があるか。
そういったことは、高成にも読者にも明かされません。
みなさんも、
「何考えてるか全然分からないな…」「全然自分のこと喋らないな…」って人と、
恋人になったり、友達になったりしたいと思いませんよね。
では、なぜ読者は、「自己開示をしない」飯田里帆に恋をするのでしょうか。
(「桂あいり先生の絵、演出が魅力的すぎるから」といえばそれまでなのですが、
それだと話が終わってしまうので…)
今回は、「読者はなぜ飯田里帆に恋をするのか」を、
色々な心理学の概念で考察してみたいと思います。
飯田里帆と希少性の原理
「希少性の原理」とは、
「人間は『手に入りにくくなる』と
そのモノや機会が貴重なものに見えてくる」
という心理現象です。
もっと詳しく説明すると、
人間は、「あるものが失われてしまう」と考えるときの方が、
同じくらいの価値のものが手に入ることを考える時よりも強く刺激されるんです。
(モヤモヤする寝取られ・BSSジャンルの漫画が人々を魅了し続ける理由も、
この心理現象で説明できると思います。)
この心理現象は、一般的に「人にモノを買わせる」ときに、
「これは残り少ない貴重なものですよ!」というテクニックとして使われます。
みなさんも、例えばケーキ屋で
①普通のショートケーキ
②「年間100個しか採取できないイチゴを使ってる」ケーキ
値段が一緒だったら、多くの方が②に興味を持つと思われます。
そして、この希少性の原理が、
人間心理において最も強力に働くシチュエーションがあります。
それが、「他人との競争」です。
人は、「希少なモノ」を「他人と奪い合っているとき」に、
そのモノをより高く評価し、価値が高いと考える性質があります。
(デパートのバーゲンセールで、商品を巡り奪い合いが発生する理由がそれです)。
以上より、「飯田里帆に読者が恋をしてしまう理由」の一つ。
それは、
里帆が「地味だけどスケベ」という希少な存在であると同時に、
「里帆が他の男たちにモテる=人との競争がある」ことで、
希少性の原理が非常に強く働くためだと考察できます。
飯田里帆がもともと魅力的なキャラクターなのはもちろん、
読者から見ると里穂は、それこそ「世界に一つだけの花」で、
その花を「自分だけが摘み取りたい!」って欲求が生じるということです。
この希少性の原理が作中でみられるヒット作品は、他にも多々あります。
例えばよくアニメとかで、その作品のヒロインがモブ男に、
「うわっ…あの娘可愛い…。付き合いてぇ…」とか言われるシーンありますよね。
あれが希少性の原理です。
代表的なのは、「天空の城ラピュタ」における、シータでしょう。
シータが海賊船に乗ったシーン。
ドーラの息子ルイがシータに向けて
「イイ(可愛い)…)」と言っていたのを覚えていますか?
他にも多数の乗組員たちから、
「何か手伝うことない…?」とシータはアプローチされてましたよね。
そうして競争が生まれることで希少性の原理が働き、
ラピュタの視聴者は、自然とシータを、より魅力的だと思うようになっていきます。
カラミざかりの読者は、
新山智乃より飯田里帆の方に魅力を感じている人が多いかもしれません。
でも一つ想像してみてください。
里帆が、貴史からも藤野からも、あらゆる男に相手にされなくて、
智乃が異常なまでにモテまくっている世界線を。
全ての男が、「新山智乃を俺の女にしたい!」って言ってたら、
なんか智乃の方がより魅力的に見えてきませんか?
よく男性が「アイドル、女優と結婚したい!」という願望を抱くのも、
全国に競争相手が大量にいるという前提から、
希少性の原理が働いている結果だと思います。
ネトラレ漫画を読んだときのモヤモヤ感と、
好きなアイドルが結婚したときのモヤモヤ感、
二つがなんか似てるのもこれが原因なのでしょう。
黒髪ロングヘアーの魔力
もう一つ、読者が飯田里帆に恋をする理由として挙げられるのが、
里帆のトレードマークである
「黒髪ロングヘアー&髪のキューティクル」です。
心理学によると、世界共通でモテる女性の条件の中に、
「ロングヘアーでキューティクルがある」
というものがあります。
男性は常に「妊娠に最適な女性」を本能で探しているとされ、
「妊娠に最適」だと判断された女性がモテるという前提があります。
そして、最も妊娠に最適な女性は、「健康な若い女性」です。
つまり、男性には本能で
「女性の健康・若さ」
を見分ける能力が備わっています。
そして、その「健康・若さ」を男性が見極める際の指標の一つが、
女性の「髪」なんです。
人間の髪というのは、加齢と共にパサパサになっていきます。
不健康でも、髪がパサパサになりますよね。
女性は、サラサラの状態で髪を長くすることは、
高齢になればなるほど難しくなっていきます。
よって、
艶々キューティクルのロングヘアーの女性=若くて健康的
だと男性は本能で察知し、
「若くて健康的な女性を妊娠させたい欲求」から
男性はロングヘアーの女性に魅力を感じてしまうのです。
もうお分かりだと思いますが、
髪の艶々感、キューティクルが一番映えるのは、
(漫画では特に)黒髪ですよね。
そう、読者が飯田里帆に恋をしてしまうもう一つの理由は、
以上より、
「黒髪ロングストレートだから」と言えるでしょう。
(桂あいり先生は髪の描き方が本当に流麗なので、より黒髪が魅力的になってます)
思えば、アニメや漫画でも、
黒髪ロングストレートキャラって男性に凄く人気ですよね(けいおんの秋山澪など)。
一見ハデ系女子が好きそうな木戸先輩が、夏祭りで里穂を選んだのも、
男の本能によるものだったのかもしれませんね。
飯田里穂の赤面の魔力
もう一つ、心理学の観点から、
「読者がなぜ飯田里帆に恋をするのか」を考察してみたいと思います。
男性は、その女性が健康的で、子供を産めるかどうかを見極めるにおいて、
「唇を見る」と言われています。
唇の色って、そのときの体調がはっきり出ますよね。
病気のときは青くなり、元気なときはピンク~赤色になる。
男性は、この唇の色で女性の健康度を測り、妊娠に適しているか判断します。
(よって赤やピンクの口紅は、自分をより魅力的に見せる効果があります。)
でもこれって、顔の血色にも同じことが言えると思いませんか?
よく「顔が青くなる」と言いますが、
顔の血色にも、その女性の健康状態が表れます。
つまり顔が赤くて血色のいい女性というのは、それだけ健康的というわけで、
「妊娠させたい!」という男性の本能を刺激します。
(女性が頬にチークを塗る理由は、こういう背景があるからと推測できます)
そこで問題になるのが、読者が度々見せられる、
里帆の赤面。
ウブな性格だからか、智乃に比べ、
明らかに赤面するシーンが多いように思えます。
つまり、里帆が度々赤面する姿は、
読者にとっても、作中の男たちにとっても、
「この娘は血色が良くて健康的=妊娠させるのに適してる=妊娠させたい!」
という本能を煽られるわけです。
運動直後で顔が上気した女性を見たとき、
「なんかエロい」と感じた経験はありませんか?
それらすべてに共通するのは、
男性の「血色の良い健康的な女性を妊娠させたい!」
という本能によるものといえるでしょう。
まとめ
以上考察してきた結果、
読者が飯田里帆に恋をする心理学的理由は、
①里帆が他の男たちにモテまくるから(希少性の原理)
②黒髪ロングストレートだから
③何回も赤面するから
の3つが挙げられます。
飯田里帆というキャラクターは本当に魅力的なので、
読者が恋をする理由として、上記に挙げたもの以外にも
本当に沢山理由があると思います。
みなさんも、自分がなぜ飯田里帆に恋をしてしまったのか、
試しに色々と考えてみてはいかがでしょうか。
では長くなったので今回はここまで。
「カラミざかり番外編 2〜竹内先輩と部室〜」カラー版 前編を読む
「カラミざかり番外編〜貴史と飯田〜 カラー版」を読む(桂あいり先生のあとがき付き)
カラミざかり vol3 カラー版 後編を読む(桂あいり先生のあとがき付き)
カラミざかり考察:飯田里帆には、感情は存在していたのか (ネタばれあり)
「カラミざかり」作中において、
里帆が恋愛にまつわる感情を表に出したと思われるシーンを検証していきます。
一つ目は、「カラミざかり vol.2」における、大学生たちとの肝試しシーン。
↑藤野に手を握られるシーンで、里帆は智乃と同じく赤面しています。
藤野に一目惚れをしている智乃と同じ表情なので、
「ボディタッチをされて照れているだけ」とは言い切れないと思います。
(貴史が同じように手を握っても、里帆はこんな表情しないでしょう…。)
つまり里帆は、少なくとも新山など一般的な感性の女性と同じく、
「イケメンをイケメンだと認識していて、ちゃんとイケメンにときめく」
ということが分かります。
この時点で、
「飯田里帆は性欲だけで無感情」
という意見は成立しないんじゃないでしょうか。
二つ目は、vol3終盤、高成が里帆に告白?にいくシーン
高成はまだ何も告白していませんが、この時点で里帆は赤面しています。
ここからは色んな里帆の感情が想像できます。
①夏祭り以来、久しぶりに高成と会ったから恥ずかしい
②高成と昔「カラんだ」ことを思い出している
など想像できますが、
高成と里帆は毎日学校で会ってることを踏まえると、
流れ的に
③恋の告白をされる可能性に緊張している
が最も有力ではないでしょうか。
もし③だとすれば、
「二人っきりで呼び出される=恋の告白」って認識しているわけで、
それなりに恋愛に対して関心があるってことですよね。
(ちなみにこのシーン、
「高成にワンチャンあったのか?」と気になる方も多いと思いますが、
僕は「なかった」と断言できると思います。
里帆はこのとき藤野との関係に夢中ですし、
そもそも藤野に開発される前ならともかく、開発された以上、
いざ付き合えても、回想シーンに出てきた「優しさが取り柄の彼氏」のように、
高成のテクニックに里帆が性的に満足できず、浮気されてしまうのがオチでしょう…)
余談ですが、里帆は高成の告白を受ける前に、洋服を着替えています。
下はズボンからロングスカートに、
上は部屋着っぽいTシャツから普通のTシャツになっています。
「さすがに部屋着では外には出れない」ってことなんでしょうが、
里帆が自分の容姿に関して、
(一般的な女子と同じで)無頓着ってわけじゃないのが、
こういった部分からも読み取れます。
↑ちなみにvol.2にも似た服装は出てきていましたが、
告白シーンよりスカートが短いです
里帆って地味系女子の印象で、ファッションとかにも無頓着に見えて、ここでもスポーツサンダルを履いたり、普通におしゃれですよね。
里帆は一見カースト低そうな地味女子に見えるため、
高成や読者を「オレでもいけるんじゃ…」と前のめりにさせてしまうところが
罪深い部分です(実際は智乃と仲良いだけあって普通に女子女子してる)
(↑里帆は貴史の家に通うときも、お洒落なミュールサンダルを履いてきていた)
②飯田里帆、恋愛感情に鈍感説
これまで推測してきた中で、
・里帆は一般的な女子と同じく恋愛への関心、知識を持っている
・里帆は一般的な女子と同じく、おしゃれに興味を持っている
ということが見えてきましたが、
「里帆は恋愛ごとに対して実は超鈍感なんじゃ…」というシーンがあります。
上記画像は、
「藤野と密会していることに嫉妬した智乃が里帆をシカトしたシーン」ですが、
実際、vol.3最後の回想シーンで、
「優しさが取り柄の彼氏」
「イケイケの彼氏」
少なくともこの二人の彼氏ができています。
この二人の彼氏は高成と違って、積極的に里帆にアプローチしたのでしょう。
まさに貴史の言葉↓が胸に突き刺さります。
(しかし「イケイケ彼氏」はともかく、
里帆がなぜ「優しさが取り柄の彼氏」に惚れたのか気になる…)
これまで「カラミざかり」を読んできた読者からすると、
里帆にとっての彼氏=セフレと同じだと思う人も多いと思いますが、
里帆は性欲が強すぎるだけで、感性、感情は普通の女子と思われるので、
「普通に恋愛して付き合った」という確率が高いです。
(↑里帆のラインのプロフ画像。普通の女子っぽい趣味が垣間見える)
「カラミざかり番外編 2〜竹内先輩と部室〜」カラー版 前編を読む
「カラミざかり番外編〜貴史と飯田〜 カラー版」を読む(桂あいり先生のあとがき付き)
カラミざかり vol3 カラー版 後編を読む(桂あいり先生のあとがき付き)
「カラミざかり3を読んだ後、なぜ失恋したような気分になるのか」の理由を考察 ~桂あいりの心を揺さぶる天才性~ (ネタばれあり)
カラミざかり VOL3を読んだ後、
人はなぜ失恋したような気分になるのか
心理学に、「コントラストの原理」というものがあります。
これほどコントラストの原理が効果的に使われてる演出もないと思います。
「カラミざかり番外編 2〜竹内先輩と部室〜」カラー版 前編を読む
「カラミざかり番外編〜貴史と飯田〜 カラー版」を読む(桂あいり先生のあとがき付き)
カラミざかり vol3 カラー版 後編を読む(桂あいり先生のあとがき付き)
カラミざかり3考察:ラストの里帆と高成は何歳だったのかを考察 (カラミざかり3 ラストシーンより)
チラッと出てきた家の内装↑を見る限り、
結構広そうな家で同棲していると推測できます。
部下もいる立場ですし、里帆の彼氏はそれなりの収入だと予想でき、
「カラミざかり番外編 2〜竹内先輩と部室〜」カラー版 前編を読む
「カラミざかり番外編〜貴史と飯田〜 カラー版」を読む(桂あいり先生のあとがき付き)
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